初めてあったのは35年前
それ以後解りあえたことは無かった
近くに住んでいながら年に一度お正月のご挨拶に行くだけという薄情さでした
そんな彼女がボケてきたようだとかぜのたより
今年は、雪が降ったのを口実に春になったら行きますね
とお茶を濁してきた
10日ほど前に広告の裏を使った手紙が届いた
会いに行きたくて京都駅まで行ったけど駅が解らない
行けなくてごめんなさい
みんな元気だろうか、会いたいです
という内容のもので、便せんも使わずやはりボケたのかなあと
軽く考えていた
救急車で運ばれたと連絡があり急いで駆け付けた時には
生命維持装置に繋がれた姿でした
そして旅立って行った
何事もなかったかのように時は流れ、お腹も減る
人の死なんてこんなにもたやすいものなんだと
いたはずの人がこの世にはいないのに…
